本記事は、2022年11月22日に行われた株式会社LabBaseと株式会社groovesの共催ウェビナーのイベントレポートです。
新卒・中途問わずエンジニア採用の競争は激化しています。エンジニア採用の成功に向け、さまざまな採用手法を試みても「成果が思うように出ない..」とお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで今回、『「欲しいエンジニアを諦めない」効果的な採用要件作りとスカウト運用術とは』というテーマで、累計1600社の採用支援の経験から導く、欲しいエンジニア人材を獲得するための成功法則や重要なポイントを、解説いたしました。
目次
登壇者紹介
株式会社LabBase
LabBase就職事業本部 toBマーケティングセッション
戸田 光 氏
法政大学人間環境学部を卒業後、新卒でNTTデータグループへ入社。金融機関向けITソリューョン営業を担当する。2020年8月に株式会社LabBaseへ転職し、インサイドセールスの立ち上げに従事。その後、チームリーダーを経て、現在はマーケティング担当としてコンテンツやセミナー企画の責任者を務める。
株式会社LabBase
プラットフォーム開発本部 プロダクトマネージャー
高橋 あや 氏
新卒で株式会社LabBaseへ入社。カスタマーサクセス部にて、導入支援チームの立ち上げと実働を担当。3年間で、約250社のご利用企業様へのLabBase就職導入・活用支援へ従事。顧客満足度調査・支援プログラム改善・支援コンテンツ拡充などを推進。2022年の3月よりプロダクトマネージャーを担当している。
株式会社grooves
カスタマーサクセスチーム
國友 紗恵 氏
2020年11月に株式会社groovesへ入社し、Forkwellのカスタマーサクセスを担当。企業が「Forkwellを使って良かった」と感じる体験づくりをミッションに、約2年間で約50社のエンジニア採用を支援。現在はカスタマーサクセスチームの業務標準化にも取り組み、支援プログラムの改善・拡充を推進している。
イントロダクション
市場全体でエンジニア人材の採用ニーズは高く、競争が激化している
戸田 ――本日ご参加いただいた皆さまはご存知のことかと思いますが、市場全体でエンジニア人材は不足しており、採用ニーズが非常に高まっています。経済産業省のデータによると、2030年には最大で80万人ほどの人材が不足すると言われております。
戸田 ――このような市場背景があるため、攻めの手法としてダイレクトリクルーティングを検討されるお客様も多いと思います。
今回は、スカウト導入を検討されている方、これからご検討される方にも役立つ以下2つのテーマに絞りました。
- 採用要件の作り方
- スカウト運用するコツ
戸田 ――「採用要件の作り方・スカウト運用のコツを理解し、自社で何から取り組むべきか考えるヒントを得る!」をゴールにお話します。まずは、採用が上手くいくポイントを國友さんから解説いただきます。
採用が上手くいくポイントを知る
國友 氏(以下、國友)――前提として、エンジニア採用が上手くいく3つのポイントがあります。
- 適切な採用要件の設定
- 企業の認知度
- アクティブな候補者へのアプローチ
- 適切な採用要件設定
國友 ――本日詳しくお伝えする範囲は、適切な採用要件設定です。②は足が長く、③は媒体特性によって異なるので、今回は簡単なご説明のみとさせていただきます。
①では、まずは自社が採用要件を適切に設定できてるかを確認するところから始めましょう。自分たちが欲しい人材がどんな人かを具体的に認識して採用活動を進めることで、例えば、ダイレクトリクルーティングの場合だと候補者の検索や、ピックアップ後のスカウト文面にも迷うことが少なくなります。
また、エージェントを利用される際には、求める人材を詳細に伝えられるため、より自社の希望に合う人材を提示していただけると思います。
2. 企業の認知度
國友 ――エンジニアの中途採用という観点では、会社・業界内での規模による認知度とは別に、エンジニア界隈で「この会社は技術的に面白いことやっているよね」などの技術界隈での認知を得ていることも重要です。そのため、技術ブログの運営やイベントに登壇するなど、自社の強み・面白さを伝えましょう。
3. アクティブな候補者へのアプローチ
國友 ――媒体によって、何をもってアクティブとするかが変わると思います。そのため、ご利用中の各媒体の担当者に確認し、できるだけアクティブな候補者にアプローチしていくことを意識していただくと良いと思います。
採用要件の作り方
國友 ――それではここから本日のテーマである「採用要件の作り方」を具体的に解説します。採用要件を作るにあたって、3つの流れでお伝えします。
- 現状課題の把握
- コア業務の抽出、業務内容の設計
- 必要要件・尚可要件の決定
現状課題の把握
國友 ――社内から採用したいと要望が出たときに、そのような要望が出た理由を把握することが重要です。
中途採用の場合だと、新しい機能を開発したいものの人が足りない、サービス拡大に伴う業務量の増加に対して人を増やしたいなどが挙げられると思います。新卒採用の場合は高橋さん、いかがでしょうか?
高橋 ――新卒採用の担当者様からは、企業文化やカルチャーにフィットする人材を採用していきたい。中途採用が上手くいかず、新卒で代替したいなどが要望として多いです。
國友 ――これらの要望を把握したうえで、採用以外の方法で解決できないかを検討すると良いと思います。
例えば、このような方法です。
- ・社内異動で人員調整できないか
- ・開発スケジュールを調整することで、人を増やさずに対応できないか
- ・外注や業務委託の方でポジションを埋めることができないか
國友 ――なぜかというと、冒頭で戸田さんからもお話があったように、昨今は中途エンジニアの採用市場が激化しているからです。IT企業の成長による需要増大や、DXのニーズが増えたことにより、ITエンジニアの求人倍率は過去最高の10倍まで到達しています。
つまり、エンジニアが転職活動をした場合、1人あたり10内定もらえる世界観です。また、年収が高い方やスキルの高い方など、さらに多くの内定をもらえる方もいるため採用難易度がとても高くなっています。
これらの理由から、採用以外の方法で代替した方がより円滑に進む可能性もあります。社内の要望をヒアリングしつつ今の市場感を理解した上でご検討いただくのが良いのではと考えます。
コア業務の抽出、業務内容の設計
國友 ――また、採用以外の方法を検討していくと「採用でなければいけない理由」が見えてきます。
その理由をもとに、その方に最低限お願いしたい業務範囲や業務内容を抽出していき、業務遂行のために最低限必要なスキルを固めていくことが重要です。
國友 ――次にスカウト対象者のイメージを固めましょう。
ここでは、社内で活躍しているエンジニアや社員の共通点をもとに採用要件を決定すると、カルチャーマッチの観点で齟齬が起きづらくなるでしょう。
國友 ――要件を固めた後、重要になるのが年収です。エンジニアは内定の出る数が多いため、比較対象として年収を気にする方が多いです。市場感にあった年収設定ができているか、今一度ご確認ください。
※エンジニアの年収分布に関する記事はこちらからご覧ください
採用要件作りの注意点。持つべきスタンス2つのスタンス
國友 ――採用要件を作る中で、持つべきスタンスは大きく2つあります。
- 採用要件を狭めすぎない
- できるだけ具体的に要件を作成する
- 採用要件を狭めすぎない
國友 ――採用要件を狭めすぎると、さらに狭いパイの中で戦うことになるため、採用が困難になります。そのため、絶対に譲れない要素を1つや2つに絞り、いくつ以上を満たしている方にはアプローチしていこうと決めた方が良いでしょう。その後、返信が来た方にカジュアル面談を実施しながらその枠を決めていくのが良いと思います。
2. できるだけ具体的に要件を作成する
國友 ――先ほどのスタンスとは真逆のことを言っているように感じられると思いますが、私が日頃から接するお客様では、採用要件がとても具体的かとても抽象的かのどちらかに分かれることが多いです。
抽象的に作りすぎてしまうと対象者が不明瞭になってしまい、誰にスカウトを送ればいいかの見極めが困難になります。そのため、できるだけ具体的に作ることをお勧めします。新卒の場合は高橋さん、いかがでしょうか?
高橋 ――新卒の場合は抽象的になることが多いです。その場合は、スライドに記載されているフレームワークを活用し、具体的に落とし込むことをお勧めします。
配属部署や抽象的・具体的業務、必要なスキルや入社後にどのように育成していくのかなどの観点があると具体的に落とし込みやすくなるでしょう。
採用要件の例
國友 ――それでは、具体的に「ちょうどよい」要件を立ててみましょう。社内から上記のスライドに記載されているような要望があったと仮定します。これを料理に例えると、冷蔵庫の中身を一通り確認したような状態になります。
國友 ――次に、具体的に採用の背景をヒアリングしましょう。先ほどの要望の背景を考察すると、上記スライドに記載されている要望が見えてきます。
これらを元に、必須要件と尚可要件に分けて採用要件を作成します。
必要要件・尚可要件の決定
國友 ――しかし、こちらは会社の状況によって変更できます。例えば、メンバーが自走するチームにしていくため、リーダー経験を外す代わりに技術力が高い方(Goでの開発経験が3年あり、インフラ開発の経験もある方など)に絞るという考え方もあると思います。
必須要件
國友 ――先ほどの必須要件を作成する際の参考に、上記スライドの赤文字部分に重点を置きました。
リーダー経験と Go での開発経験は、どちらもかなり大きな要件になります。今回はリーダー経験を取りました。静的型付け言語での開発の経験があればある程度キャッチアップできるため、少し修正しています。
チームビルディングのために週1日は出社する点は、カルチャーとして変えづらい部分だと思うのでそのままにしています。
尚可要件
國友 ――それ以外の背景で残った部分は、尚可要件として考えます。
「事業会社なので、同様の経験がほしい」はとても抽象的な要望であり、どのようなスキルが欲しいのかが明確ではありません。具体的にするため、例えば一つのサービスに長く携わって開発をした経験や、理想のサービスと同じような仕組みのサービスの開発経験、アジャイルで開発していた経験のある方がいいなどと展開し、これらに該当する方を探しましょう。
年収面の調整
國友 ――最後にこちらの記事などを参考に、年収を決めると良いと思います。要件を立てた上で、要望の言語やスキル感を見ながら相場と合わせて年収設定をしてきますが、あまりにもずれが発生する場合は、再度要件設定を行いましょう。
このような流れで採用要件を設定すると、ダイレクトリクルーティング、またはエージェントを活用される場合でも、自分たちの要望を正しく候補者の方に伝えられるようになるので、ぜひ試してみてください。
戸田 ――國友さんありがとうございました。続いては、スカウト運用術について高橋さんから解説をお願いします。
スカウト運用術
高橋 ――ここからは具体的なスカウトの運用術についてお伝えします。スカウト運用で大事なポイントは4つです。
- スカウト目標・スケジュールを決める
- 役割・タスク分担をする
- 1to1のコミュニケーションをする
- 定期的に振り返り、運用方法を改善する
高橋 ――上記4つのポイントについて説明をする前に1点確認します。そもそもスカウト運用で大切なことは、何でしょうか?
高橋 ――スカウトの運用は、すぐに成果を求めるのではなく、根気強く改善を繰り返すことが大切です。もちろん成果も大切ですが、検索条件のブラッシュアップやスカウト文面のブラッシュアップを繰り返すことによるプロセスの改善も大事にしてます。
高橋 ――私たちが支援している企業の中でも、中長期的に採用成果を出し続けられる仕組みができている企業は上手くいっている印象があります。
成果に繋がるまでのプロセスを重視することで、採用成果以上の効果に繋がるでしょう。そのため、短期だけでなく長期の視点でも重要となるポイントを紹介します。
スカウト目標・スケジュールを決める
高橋 ――1つ目は「スカウト目標・スケジュールを決める」です。まずはスカウトツールを導入した目的の確認と目標数値を設定します。
例えば、サーバーサイドエンジニアを2名採用することが目標数値だとした場合、スカウトツールで採用しようと考えた背景を確認します。
高橋 ――次に目的・目標を達成するためのスケジュールを設定します。いつまでに何名採用するかを中間目標にし、それまでにどのくらい選考・面談を行うべきかを明確にしましょう。
高橋 ――そのうえで、何通スカウトを送り、何通返信がくればいいかと具体的に落とし込みます。
もし可能であれば、最終的な内定承諾から逆算してシミュレーションを立てられると良いです。スカウトツールを提供している業者などに聞くと平均値がわかると思います。その平均値と自社の実績を照らし合わせながらシミュレーションを立てましょう。
例えば先ほどのケースであれば、内定承諾2名に対して100名にスカウトを送付する必要があります。
高橋 ――11月と3月に1名ずつ採用したいので、リードタイムを考えると2.3ヶ月前にスカウトを打ち始めた方が良いという目標が立てられます。
役割・タスクを分担する
高橋 ――誰がどのタスクを担うかも大事ですが、その過程でどのような躓きポイントが発生するかを事前に洗い出しておくと、より円滑に進みます。
高橋 ――今回は特に躓くポイントとして挙げられる、候補者のリストアップとスカウト送付について解説します。
候補者をリストアップした際、多すぎたり少なすぎたりすることがあり、誰にスカウトを送れば良いかの判断がつかなかったり、判断に時間がかかるという課題があります。
高橋 ――それらの課題を解決するために、リストアップとスカウトの基準を別々に言語化しておくことがお勧めです。
候補者のリストアップをする段階では基準を明確にしなくても良いと考える場合、必須条件のみ満たしていればリストアップして良いとし、スカウトの基準は尚可条件の2つ以上満たしていれば、スカウトして良いとするなど、スカウト運用者とスカウト運用の責任者が擦り合わせていると円滑に進みます。
高橋 ――擦り合わせを行う際の具体的な事例をお伝えします。
人事と現場エンジニアで、候補者を見ながら擦り合わせることが理想的です。上記スライドのようにコミュニケーションを取ることで、採用要件の解像度が上がります。そして、エンジニアがスカウトを送っても良さそうだと判断すれば、それがスカウトの基準になります。
高橋 ――なお擦り合わせの頻度に関しては、スカウトを送付する前の初期段階のみで問題ないと思います。最初の目線合わせができていればよいです。しかし、目標と実績に大きな GAP が生じた場合は、改めて基準を見直しましょう。
またエンジニアが忙しく擦り合わせるタイミングがない場合は、面談や選考などで接触した候補者に対するエンジニアからのフィードバックコメントを踏まえて基準を反映する方法もあります。
これらが役割・タスク分担において躓くポイントの1つでした。
高橋 ――他には、作業時間がなかなか取れないというケースも多くみられると思います。その場合は、事前にスケジュールを組み、事前に作業時間を確保することが効果的です。
高橋 ――一例ですが弊社のスカウトツールのデータでは、週末は候補者からの返信が届きやすいです。そのため、月曜日から木曜日にかけて、エンジニアが候補者のリストアップとスカウト文章の作成を行い、金曜日に人事がスカウトを送るというスケジュールを立てると良いと思います。
これらが役割・タスク分担をするというポイント2のお話でした。
1to1のコミュニケーションをする
高橋 ――候補者と会う時に大事なポイントは、候補者一人ひとりのニーズや関心に合わせて、コミュニケーション設計をすることです。
スカウトを送るときの文言のポイントと、その後に接点を持つ面談などコンテンツを選定するポイントをお伝えしたいと思います。
高橋 ――弊社が実際に使っているスカウトテンプレートを事例に挙げます。採用が上手くいっている数十社の企業を分析した結果、スライドのような構造が多いことがわかりました。
まずは、自己紹介があり、次にどういう技術を活用し、何を解決したい会社なのかを示す端的な企業の紹介があります。
その後は、候補者独自に合わせた文言を作成します。候補者の魅力やスカウトを送った理由を述べたうえで、コンテンツの紹介をします。
高橋 ――またこの中で最も大事なポイントは、候補者に合わせた文言を書くことです。「会いたい理由」は以下4つのポイントで書きましょう。
- 技術・スキル・経験
- 性格・人間性・志
- 活躍イメージ・アピールポイント
- 親近感・特別感
高橋 ――4つのポイントを抑えた事例を紹介します。赤色の部分で技術面について述べ、緑色の部分で志向性について述べています。青色の部分で、候補者の技術と人間性が自社でどのように生かされるかを述べた上で、最後の黄色の部分で特別感のあるメッセージを添えています。
こちらは新卒採用に向けた内容に寄っていますが、中途採用の場合、國友さんいかがでしょうか?
國友 ――中途採用では、自社が抱えている開発課題について記載することも効果的だと思います。自社のマイナスな部分を含んだ形にはなりますが、エンジニアには意外と効果的なので試してみてください。
高橋 ――ありがとうございます。続いて、候補者に合わせたコンテンツについて解説していきます。
高橋 ――スカウトの返信が来て接点を持つ際は、候補者に合わせてコンテンツの案内をしましょう。
高橋 ――例えば、候補者が概要を知りたい場合は、採用担当との面談やミートアップに招待することもお勧めです。また、会社や社員の雰囲気が知りたい場合は、そのような雰囲気が分かるイベントに招待してみましょう。
さらに具体的な働き方や業務内容を知りたい場合は、エンジニアとの面談を組んだり、エンジニアが行っている LT や勉強会に招待するのもおすすめです。今すぐ一緒に働きたいという温度感の高い方は、選考に進めるのも良いと思います。
高橋 ――一方で、エンジニアとの面談を組むことが難しいケースもあると思います。その場合、会社に関心を持っていただくというゴールが達成できさえすれば、人事が面談を行う形でも問題ないです。
候補者はインターネットでは知ることのできない情報を知りたい、自分が希望している条件にマッチするのかを知りたいなど、様々なニーズを持っています。人事は表面的で構わないので、技術について軽く触れたり、自社の技術的な強みを語り、候補者が会社に関心を持てる状態にしましょう。
定期的に振り返り、運用方法を改善する
高橋 ――4つのポイントの中で、定量・定性で振り返り、運用方法を改善することが最も重要だと考えています。前述した通り、しっかりと振り返りをして改善を行うことが中長期的に効果を生むので、定量と定性のどちらでも振り返りすることは大切です。
目標のシミュレーションに対する実績にプラス・マイナスの差分がある場合は、それぞれの要因を振返り、打ち手を検討しましょう。
高橋 ――一方で、数値に表れない部分もあるため、定性的に振り返ることも大事です。例えば、リストアップとスカウトの基準を振り返ったり、特に工数がかかったタスクなどを振り返ると、更に効率的に行う方法を見つけることができます。
また、面談をした候補者の分析などをすることで、改めて今後どのような人材をリストアップするべきかという精査もできるので、定性的な振り返りも大切です。そして、振り返った内容を、運用へ反映していきましょう。
戸田 ――高橋さん、ありがとうございました。では最後に、事前にいただいたご質問へお答えしたいと思います。
Q&A
ーーQ1:採用強者ではない企業の創意工夫を教えてください
高橋 ――採用広報に対するリソースやお金を抑えている企業が、採用に強くなりやすい市場だと考えています。
いわゆる採用強者に対して、同じ場所で戦うのは難しいと思います。そのため、自社の勝てる相手に勝てる場所で勝負を検討しましょう。
具体的な進め方を説明します。まずは、市場全体におけるターゲットの母数を把握し、自社・競合の強みと弱みを定義しましょう。自社・競合ともに強みとしている部分は、伝え方を工夫して必ず伝えていくことが重要です。
ちなみに自社の弱みであり、競合の強みである部分については、敢えて勝負しなくて良いと思います。自社の強みであり、競合の弱みになる部分を差別化ポイントとしてアピールしましょう。
ーーQ2:知名度のないベンチャー企業がエンジニア採用をする場合、どの媒体から手をつけるべきですか?
國友 ――自社についてアピールしやすい媒体を選ぶべきだと思います。
例えば、求人票の自由度が高く、オリジナルの強みが出しやすい媒体であったり、スカウトの文面についても自社の色が出せるような媒体を選んで使っていただくのがおすすめです。自社の良い部分を候補者に届けられるようになるため、採用の確度は少しずつ上がると思います。
ちなみに…手前味噌で恐縮ですが、Forkwell は求人票の自由度がとても高く、スカウトの文面もカスタマイズしやすい媒体なので、是非ともご検討ください。
また、どのようなエンジニアが欲しいのか、データベースを見てどのくらい量と質がマッチしていそうか事前に確認したほうが良いですね。
戸田 ――データベースに関しては、「事前に想定していた人材と違った」というパターンもよく聞くので、営業の段階でデモ画面見たり、乖離が起こらないようにしたいですね。
ーーQ3:目標に対する実績値の確認・分析を行う適切な頻度は?
高橋 ――中途・新卒採用のどちらか、また、いつまでに採用する必要があるかによって変化しますが、1ヶ月に1回の頻度で行えば良いと思います。3ヶ月や半年など、短い期間で採用する必要がある場合は、週次で分析をしたほうが良いかもしれません。
國友 ――どのレイヤーを採用したいかによると思います。スカウト数を担保できるジュニアレベルであれば、2週間〜1ヶ月くらいの頻度で分析しても良いと思います。
分析を行うにも実数が少ないと意味がないので、レイヤーの高い方であれば1〜2ヶ月の頻度で分析をすれば良いでしょう。
戸田 ――本日のセミナーは以上となります。高橋さん、國友さんありがとうございました。