Sansanが実践する優秀な理系学生と出会うためのインターンシップ戦略

公開日: 更新日: イベントレポート

本記事は、株式会社LabBaseと株式会社HERPの共催ウェビナーのイベントレポートです。

「Sansanが実践する優秀な理系学生と出会うためのインターンシップ戦略」というテーマでSansan株式会社の関西支店付HRBP兼新卒採用責任者を務める田中達也さんをお招きし、お取り組み事例をお話いただきました。

営業DXサービス「Sansan」など働き方を変えるビジネスデータベースを提供するSansanでは、競争率が激化しているエンジニア採用において、インターンシップを活用した優秀層の学生への早期接点作りや最適なコンテンツ設計に取り組んでおり、毎年優秀な学生を再現性高く採用しています。

Sansanではインターンシップをどう優秀理系学生の採用につなげているのか、実際にどんなインターンシップを実施しているのか、またインターンシップを設計する際のポイントはどこにあるのかといった点をお伺いしました。


登壇者紹介

Sansan株式会社
新卒採用グループマネージャー 兼 関西支店HRBP
田中 達也 氏

ベンチャー企業の立ち上げを経て2017年に営業職としてSansanに入社。その後人事部へ異動し新卒採用、中途採用、人事企画業務を経て、現在は関西支店付HRBP兼新卒採用責任者を務める。

株式会社HERP
レベニューマネージャー
冨田 真吾 氏

新卒で、株式会社ビービットに入社。デジタルサービスのUXコンサルティングに従事したのち、SaaS型の分析クラウドのインサイドセールスチームの立ち上げ、プライシング戦略の立案などに従事。HERPに参画後は、レベニューマネージャーとして100社以上の採用支援を担当しながら、最近はレベニューチームの採用・組織づくりを担当。

株式会社LabBase
コーポレート本部 LabBase eXperienceユニット ユニット長
伊東 敏 氏

新卒でSansan株式会社へ入社。2015年から同社人事部門にて、新卒採用、採用企画、採用広報、戦略人事などを担当。2020年9月にLabBaseへ転職しカスタマーサクセス部とPX(People eXperience)部のマネージャーを経て現職。エンジニア採用広報や会社全体のブランディング推進などをミッションに掲げて企業価値向上に向けて活動中。

インターンシップは優秀な学生と出会える最も有効な手段

冨田 氏(以下、冨田)――まずエンジニアの新卒採用の中でも、なぜインターンシップに注力しているのか、教えていただけますでしょうか。

田中 氏(以下、田中)――新卒採用市場の中でも就職活動を早期に開始している学生は、夏から積極的に動いています。そういった熱量の高い学生を採用するためには、早い段階から接点を持つ必要があります。

しかし、当社は新卒採用市場の中での認知が十分とは言えず「Sansanって何してるんですか」と尋ねられることも少なくありません。

そこで、インターンシップやイベントを通じて当社のことを知ってもらう機会を作れないかと考えました。インターンシップやイベントには、熱量の高い学生が成長機会を求めてやってくるからです。インターンシップで何をするのか、施策をきちんと設計し、成長機会を提供する場として機能させることができれば、学生との接点を持つこれとない機会になると思い、新卒採用でも注力していくことになりました。

伊東 ――インターンシップを始めたのは19年卒からですよね。

田中 ――そうです。ただ最初は今実施しているような就業インターンというがっちり固めた形式で企画を設計して始めたものではありませんでした。イベントで優秀な学生に出会い、人事のほうで当社が扱う技術スタックとも親和性が高いと判断した場合に、その時々で企画していました。

冨田 ――プログラムもなく、その人に合わせて体験設計するやり方ですか。

田中 ――おっしゃる通りですね。リアルなプロダクションコードを触ってもらうような実務体験型の就業インターンは、受け入れ期間や技術レベルによってもできることが違うので個別に設計せざるを得ない。これは今も同様で個別最適化するようにしています。結果として、学生にも喜んでもらえていますね。

インターンシップから内定承諾を勝ち取るためのポイント

インターンシップを通じて「ここで働いてみたい!」状態まで持っていく

伊東 ――インターン経由での採用は増えていますか。

田中 ――増えていますね。年間通して接触する学生の中でも、インターンに参加した学生は相対的に社員からの評価は高く、内定承諾率も圧倒的に高いです。

冨田 ――夏のインターンで接触してから本選考まで期間が空きますが、その間の体験設計のポイントはありますか。

伊東 ――これは永遠の課題ですよね。

田中 ――ですよね。ただSansanの場合この1、2年で内定承諾いただくスピードは劇的に早まってきています。これも、早期に意思決定してもらうための体験設計をインターンシップのコンテンツの中にしっかり組んでいるからだと思います。

インターンシップが終わる頃には「Sansanに行きます」と言いきってもらえるように、学生の志望度合いを高めてもらう。そしてそのまま選考に進んでもらうフローを設計するのが、一番効果がありました。

伊東 ――具体的にはどのような設計を行っていますか。

田中 ――個々に状況は異なりますが、インターンシップに参加する前段階での学生のマインドセットがすごく大事だと思っています。単純な成長機会としてインターンシップに参加した学生に対しても、当社が就職先としてふさわしいかどうかまで含めてジャッジできる期間になるようインターンシップの設計を工夫しています。インターンシップを終えた時に、当社の選考を受けるか受けないか、きちんと判断してもらえるようにフォローするだけでも結果が変わってきます。

田中 ――実際、早期に接触しインターンシップにも参加してもらったものの、本選考に進まないケースもありました。この場合、あとから学生を選考につなげるのはかなり難しいですね。インターンシップに参加してもらうだけではなく、その先の選考に進みたくなるようなコンテンツを用意しておくことが大事だと改めて感じています。

冨田 ――一度選考フローから離れてしまうと難しいですよね。確かにインターンシップ期間中に志望度を一番手に上げてもらえるような体験を提供するというのは大事そうですね。

学生に早期内定承諾のメリットをきちんと提示

田中 ――また早期に内定承諾を意思決定することでどんなメリットやインセンティブがあるのか学生に伝わっておらず、就職先を早い段階で決めたくないという学生は多いです。そのため、早く意思決定することで得られるメリットやインセンティブをきちんと提示する必要があります。

例えば、早く内定承諾することで内定承諾者インターンとして入社まで現場で実務に取り組みながら学ぶことができるプロセスを提供する。学生が「それならもう行きます!」と思いたくなるような環境を、技術部門と人事と一緒になって用意しています。

冨田 ――ペルソナ的にも特に成長意欲の高い方が多いと思うので、そういった戦略はフィットしますよね。

優秀学生の採用につながるSansanのインターンシップ

Sansanのインターンシップ設計

個別に内容を設定、優秀層を掴み取る「就業実務経験型」

冨田 ――ではインターンシップの具体的な話ができたらと思います。まずは1monthの「就業実務経験型」からお話しいただけますか。

田中 ――就業実務経験型は厳密にいうと2週間から1ヶ月の期間で実施しています。学生が参加しやすいように期間は応相談にしています。

田中 ――概要としては、エンジニアと一緒にチームの中に入ってもらい、本番環境のコードを実際に触ってリリースまでを行います。社会に対して価値あるアウトプットをインターン期間中に出すところまでコミットしてもらいます。Sansanがインターンシップ企画に取り組み出したときの施策はまさにこれでした。

ただデメリットとしても挙げていますが、この就業実務経験型は現場で使用されている技術スタックに学生のスキルがフィットするかが関わってきます。そのため、とても優秀だけど当社が使ってるスキルは扱えない、といったことはよくあります。当社の技術スタックを扱える学生さえ見つけられれば、お互いにとって価値ある機会にしやすい形式です。

冨田 ――就業実務経験型は学生に合わせて、例えば「あなたはこの3週間で〇〇に取り組もう」といったように、個別に設計をされているんですか。

田中 ――そうですね。それから、熱心な学生だと夏の予定がすぐに埋まってしまいますので、仮に2週間のインターンシップだとしても8月から9月半ばまでの期間で、3社ぐらいしか参加できません。そのためスケジュールはできるだけ個別に調整し、参加しやすい状況を作るようにしています。

冨田 ――Sansanさんの場合は、就業実務経験型はひと夏で何名ぐらい受け入れていますか。

田中 ――5名ぐらいですかね。学生1人に対して、現場のメンバーが1人付くような受け入れ体制を整えています。

またこの形式のインターンシップは、現場にも実利を還元しやすいです。現場もびっくりするぐらい活躍する優秀な学生もいますので、そこから現場にも新卒採用の価値を感じてもらえるし、マッチングして内定承諾に至ったら配属先のイメージもつかみやすくなりますね。

冨田 ――スタートアップの企業さんとしては、一番真似しやすい型かもしれないですね。

よりフラットにポテンシャルのある学生と出会える「講義+ハッカソン型」

冨田 ――続いて2weeksの「講義+ハッカソン型」はどんな内容なのでしょうか。

田中 ――就業実務経験型は当社の技術スタックを扱えるかどうかが受け入れ基準になるため、対象学生が限られてしまうという課題がありました。フラットにポテンシャルのある学生を受け入れられる施策がなかったというところから、ハッカソン型のインターンシップを企画しました。

田中 ――これは学生12〜15名くらいに参加してもらい、チームを組み、テーマに対して成果物を2週間で作るというものです。成長したい、学生仲間を作りたいといったモチベーションを強く持っている学生は夏に活発になるので、集客自体はしやすいです。

冨田 ――ハッカソン型は受け入れなどの設計が少し大変な印象を持たれがちですが、実際のところいかがでしょうか。

田中 ――受け入れのコストを何と定義するかにもよりますが、人事側のコストは就業実務経験型のものに比べると高くなります。

ただ、ずっと張り付くような就業実務経験型に比べると、定点できちんとスケジュールを設計できれば、基本的には学生がチームごとにコミットして取り組むもののため、バランスが取れれば、実施コストは比較するとさほど上がるわけではないです。

伊東 ――フィードバック力が求められますよね。成長意欲という意味だと、しっかりと成長を感じられると学生へのアトラクトは強いんだろうなと思いました。

田中 ――そうですね。就業実務経験型よりも会社の中で比較的レイヤーが高い社員の協力が必要となります。スキルが圧倒的に優れていることや、実際にこの人たちと働くことで成長できることを感じてもらえるように、コミュニケーションを取ってもらっています。

型ができれば柔軟に活用できる「講義+お題型」

冨田 ――では最後に1dayの「講義+お題型」についてお伺いしようと思います。

田中 ――はい。これも1つの企画を作る人事のコストは高いですが、1回作ってしまえば、夏のインターンシップの時期に限らずいつでも活用できる施策になります。ある程度主要な技術領域でコンテンツを作れると小回りが効く施策で、当社では現在3つ作りました。

効率はいいのでおすすめではある一方で、2weeksのハッカソン型よりも企業とのつながりを学生は感じづらい点も否めません。1日のうちのほとんどを、ただ黙々とコードを書くことになるケースもあったりするためです。

去年、オンラインで1dayインターンを実施しましたが、コードを書くという体験以上のものがなかなか設計できず、学生に対して魅力的な機会を提供できたとは言いがたい結果となりました。1日という限られた中でのコミュニケーションを充実させるためにも、この形式はオフライン実施が適切だと思っています。

一方でメリットもあります。1日しか拘束しなくて済むので、それは学生にとっても大きいですね。例えば、夏は学生の多くが就業インターンで東京に出てきているので、少し時間のある土日に参加できる1dayインターンを探してる方は多いです。

就業実務経験型には応募のなかった技術力が飛び抜けて優れている人が、ふと参加することもありました。やってみて、損のあることではないかなと思います。参加してもらったあとに、どんなアプローチをしていけるのか、その設計次第だなと思います。

冨田 ――お題型もただお題に取り組み、Sansanさんのこと知ってもらえずに終わる可能性もある中で、どうやって会社の魅力づけしているかお話いただけますか。

田中 ――自社でプロダクトやサービスを展開されてる企業であれば、プロダクトやサービスの価値に則るようなお題を設定し、企画を作ることだと思います。

当社だとキャリアプロフィール「Eight」の学生版を作ってみようというお題を考えます。そうすると、学生に対して自然とプロダクトのコンセプトや価値をインストールすることができます。「これはこういうプロダクトでね」とインプットする中で自然と話せるので、学生に自社プロダクトへの理解を深めてもらういいきっかけになると思います。

さらに学生に対して適宜プロダクトについて話す機会を設けたりもしています。例えば、Sansanの1dayインターンの場合は、新卒1・2年目や若手のエンジニア複数名がメンターとなり一緒に参加しています。ハンズオンの時間が終わった後に、パネルディスカッションのような形式で実際に取り組んだ課題の振り返りを行うのですが、その際にもプロダクトの話が出てくるので、さらに理解を深めてもらうことができます。

最後は懇親会を踏まえて良好な関係を作れるようにコミュニケーションを取りますが、その前段階でもしっかりと魅力を伝えていくためにも、学生が取り組むお題をどう設定するかは大事なことだと思います。

Sansan流インターンシップ設計の3つのポイント

冨田 ――なるほど。ありがとうございます。では最後に改めて、これからインターンシップを設計する人や今すでに挑戦している方向けに、どんなポイントがあるかお話しいただけますか。

田中 ――1つ目はまず何から始めるという観点で、「どれぐらいの期間で、どういうところからインターンシップを設計するのが自社の中で相性が良さそうか」を見定めていくことかなと思います。

例えば、人事が動いてある程度作ってしまえばできそうなのであれば、コンテンツ型のインターンから入る。働く環境を見てもらうことで魅力を感じてもらえると考えるなら、しっかり1対1で学生に向き合えるように就業実務経験型の企画を組んでいくことから始めるのもいいと思います。

また2点目の「いかに学生に成長実感を持たせられるか」もとても大事で、学生のモチベーションはこの一点と言っても過言ではないと考えています。そのため、ここに向き合うのは必須と捉えています。

3つ目は1つ目と重複する部分もありますが、まずはやってみることだと思います。当社もはじめはインターンシップで1人の学生を受け入れて、そのまま内定承諾いただき、そこからずっと内定者インターンを継続していました。

最初は規模が小さくても、そこから積み重ねていくことで、さまざまな振り返りがあり、徐々に自社ならではのインターンシップを作り上げていくことができます。きっかけはなんでもいいと思いますので、これからインターンシップに取り組もうとしている方は、まずスタートしてもらえたらいいのではないかと思います。

冨田 ――田中さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

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