【Webセミナーイベントレポート】キヤノンが語る「攻めの理系採用手法とイベント戦略とは」

公開日: 更新日: イベントレポート

キヤノン株式会社人事本部の吉澤様をお招きし、「攻めの理系採用手法とイベント戦略とは」というテーマでセミナーを開催しました。

本記事では、キヤノン株式会社の理系採用手法やイベント戦略を以下の3つのポイントでまとめました。

・LabBase就職を活用し、選考通過率が約3倍に
・「自社イベント」と「リクルーター活動」による魅力づけ
・リクルーターをデータベース化。学生に寄り添った個別のアサイン

イベント開催日時:2022年2月24日 (木) オンラインにて実施

登壇者紹介

キヤノン株式会社
人事本部 グローバル要員管理部 技術系採用担当 主席
吉澤純 氏

東京大学 農学生命科学科を卒業後、大日本印刷株式会社での経験を活かし、キヤノン株式会社に入社。品質管理業務やインクジェットプリンタ用のインク開発業務に従事。
現在は人事本部グローバル要員管理部を担当。

はじめに

―― 株式会社LabBase(以下、敬称・社名略):それでは本日のセミナー「キヤノンが語る 攻めの理系採用手法とイベント戦略とは」を始めたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―― 本日はどのような形でLabBase就職をお使いいただいているのか、どのように動いていらっしゃるのかをお話しお伺いできればと思っています。

年間を通して幅広く採用活動を行なっているので各時期でどんなことをしていたのか、採用フローの中でどのような工夫をしていたのか、もお話しできればと思います。

LabBase就職を活用し、選考通過率が約3倍に

オンライン化に伴い、自社イベントへ注力

―― 本日1つ目のトークテーマです。母集団形成はどう進めていますか?

従来は大手ナビサイトが中心でした。コロナをきっかけに母集団形成はオンラインが中心となり、今一番力を入れているのは自社イベントです。
加えてナビサイトイベントにも出展しています。また、リクルーター活動に力を入れていて、学内イベントを通してリクルーターと学生をマッチングさせる機会を増やしています。

スカウトの活用で選考合格率が3倍に

―― その中で攻めの手法として、LabBase就職をご活用いただいてます。どうスカウトを活用しているか教えてください。

スカウトは通年で行っています。各イベントに呼び込むという使い方や学生を繋ぎ止めておくという使い方もします。

―― 年間で活用となると、スカウトを打つ工数もかかります。どんな点にメリットを感じていますか。

まず、早期からマッチングできるということです。
従来のやり方との違いは、学生の研究内容や将来どんな仕事がしたいか、働く会社に何を求めるかを最初から把握できること。

特にLabBase就職はプロフィールが詳しく書いてあるので、早いうちからマッチング性を取りやすい。
学生とお互いのイメージの齟齬を防ぐことができるんです。


―― 従来の手法と違いを感じた、エピソードを教えてください。

面接の場でどんなことをしてきて、なぜキヤノンに入りたいのかという質問をした時に、どう考えてもキヤノンに合ってないという答えをする方がいます。
ただ、スカウトした学生はそういったケースがほとんどないです。


LabBase就職経由の学生は通常応募されてる方よりも選考通過率が約3倍高いです。
それだけ面接の場でもマッチング性がとれています。

―― 3倍くらい成果が違うから、工数をかけてでもスカウトを打つ。
理系採用全体の効率が下がるということですね。

もう1つは、学生とは個別の関係が築きやすくなる点がメリットだと思っています。
キヤノン対学生、1対1の関係を早いうちから築く。学生も聞きたいこと知りたいことを直接質問ができる。

大型イベントだと300人規模の学生に対しての説明になります。一方で、スカウト
は最初から1対1になり、情報をすぐ提供できる。それが関係性としても良いと思ってます。

―― 学生と深い関係性を作っていかねばと思ったきっかけはありますか?

正しい認知を伝えていきたいと思ったからです。
学生と話をする時って本当にキヤノンはカメラというイメージが強すぎるんだな、というのを感じました。

また人気ないなと感じたんです。なぜかと聞くと口コミにこんなことが書いてありました、とか、実際はそんなことないよと思うものの、口コミをどうしても信用してしまう部分もあると思うので。

―― 学生は敏感にアンテナをはりそうですね。

そうですね、敏感だと思います。そういう部分をある程度是正するやり方としてスカウトという手法は良かったです。

大人数の学生に対して一方的に会社から話すより、双方向のコミュニケーションを取りながら伝えていく。その方が、より正しい情報が伝わりやすいと思います。

スカウト文作成から1対1の関係を心がける

―― 学生とのコミュニケーションで意識していることを教えてください。

一番簡単なところで行くとスカウトの文面はコピペはしないということです。
学生が登録しているプロフィールや将来やりたいことを加味したスカウトメールを作成しています。

同じ文面ではなく、あなたにだけこれを送ってるんですよとなるべく伝える。
大部分は同じ内容で、一部学生に特化した内容に変えるなど工夫はしています。

―― なるほど。1対1の関係性づくりをスカウト時点でやっているんですね。

学生がどんな専攻で、将来こういう仕事に興味がありますよね、と伝えるためにはある意味一人一人個別にメールの中身を変えることは必然だと思います。

夏から冬、本選考にかけての魅力づけは「自社イベント」と「リクルーター活動」

―― 自社イベントに注力しているとのことでしたが、どのように活用されているのか教えてください。

イベントを設計していくときには、夏・冬のインターン、その後にあるマッチング面談に繋げていくので、その間をどう埋めていくかが大事だと考えています。

<補足>
夏のインターン自体は6月から集客をしていくとある程度人は集まるが、時期が早いので、冬のインターンだったり本当の選考で会社に興味を持っていただけないケースがある。その間を繋ぐイベントをどう設定するか、またリクルーター活動に注力し学生を魅力づけしている。


夏のインターンシップから冬のインターンシップ、本選考に繋げていくところの中で、秋から冬の部分がリクルーター頼みになってしまうところがありました。
そこを自社イベントでなんとかできないかなというのを2年前辺りから考えて、22卒の時から「Canon Online Academia」というイベントを秋から冬に開催しています。

<補足>
各系統別に社員が仕事の紹介や系統別で社員同士の座談会、前年の内定者との座談会、異なる会社の人事同士でパネルディスカッションなど様々なテーマで実施している。

本内容は22卒、23卒の情報です。


―― ちなみに、一番良い反響が得られた企画はどんなものでしたか?

研修系の企画ですね。学生は入社後の成長や会社への貢献のために、技術を磨いていきたいという思いを持っている。
技術系は特に多いと感じました。

企画づくりのコツは周囲の巻き込み

―― 企画が本当に大変だと思います。どのように設計されたのですか?

人事採用課にいる若手メンバーを頼りました。就活したばかりでどんなイベントが良いかアイデアが出てくるので、それを実装に移していましたね。

―― また社内協力も必須になってくると思います。どのように進めてましたか?

技術職の方々への協力は相当ハードルが高いです。なので、何人くらいエントリーが増えますよとか、何人くらい配属が増えますよというように具体的な数値を細かく伝える。
どんなメリットがあるかを事前に定量で伝えていくことを大切にしています。

外部イベントは目的を明確にして露出していく

―― 自社イベントに力を入れていくということでしたが、外部イベントはどのように組み合わせていますか?

外部のイベントだと学生の情報自体も収集しにくいところもあります。
その場で関係性を密にするのは難しいので、参加いただいた学生へプレエントリーサイトに登録いただきます。

―― なるほど。そこから自社イベントへ参加していただく設計にしているんですね。

そうです、目的を明確にしないと、単純に外部イベントに出て終わりになってしまうので、リンクさせるようにしています。LabBaseさんのイベントに出た後は学生の情報をいただけるので、LabBase就職の内容を見てスカウトをするなど工夫しています。

リクルーターをデータベース化。学生に寄り添った個別のアサイン

エリアと事業内容と性格を元にリクルーターを学生にマッチングさせる

―― 理系学生との接点作り後の魅力づけに関して、リクルーター活動に力を入れいるとのことでした。どんな内容か教えてください。


弊社のリクルーターは大学単位になっています。
リクルーター非設置の大学の方へスカウトする場合は、大学関係なく個別で話してほしいとリクルーターに調整をお願いして、エリア単位で近いリクルーターに対応いただいてます。

―― ちなみにエリア以外で、個別アサインしようと考えるポイントもありますか?

学生が興味のある事業・製品や同じ系統の社員と話したいという要望はいただくので、同じエリア、かつ興味があることを話すことができる人を探し出して、個別にアサインしています。

―― 学生が求める要件があって、そこにエリアと事業内容と性格を含めて近しい人をマッチングしていくということですね。

外部イベントでもリクルーターの社員を連れていくこともあります。こういうイベントだからこの人が適任というのを把握しているので、その点も含めてデータべースは必要です。
リケジョのイベントだったらこの女性社員に話してもらうのが良い、など把握しています。

リクルーター活動が応募意欲を高める

―― マッチングさせることで成果が上がったなという感覚もありますか?

そうですね。そういう学生は必ず応募には繋がってくるかなと思います。
採用課がスカウトした学生と面会しても、それだけだとリレーション効果としては薄いと思います。

学生が目的としてる社員を繋げることが、本選考への応募という意味では大事だと思います。

―― 吉澤さん、貴重なお話ありがとうございました。

キヤノン株式会社に興味がある理系学生様はこちらから

(執筆/編集:戸田)

理系特化オンライン合説
『LabBase Summit』

LabBase Summitは、研究で身につけたスキルや思考力を活かしたいと考える理系学生と、理系採用を強化する企業のマッチングに特化したオンライン合同説明会イベントです。理系学生500名以上が来場するため、母集団形成に最適なイベントなっております。

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