化学系の新卒採用|データで見る「内定辞退の要因」と承諾率を高める「専門性」へのアプローチ

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【本記事のポイント】

  • 化学系学生は「職種・勤務地確約」へのこだわりが強く、確約がない場合の内定承諾迷い・辞退率が高い傾向にある。
  • 内定の決め手として「製品・サービスの魅力」が最も重視され、自身の研究が製品開発にどう貢献できるかのイメージ付けが重要。
  • 汎用的な広報ではなく、学生の研究内容を理解した上で「個」にアプローチするスカウト型採用が有効である。


化学系学生の採用において、「母集団は集まるが、内定承諾に至らない」「優秀な層ほど大手や他社に流れてしまう」といった課題感をお持ちではないでしょうか?

LabBaseが理系院生に実施した就職活動に関するアンケート調査データからは、化学系学生は他専攻に比べて「配属リスク」に対して敏感な傾向があり、将来のキャリアイメージが不明瞭な場合に辞退を選択しやすい傾向が明らかになりました。

本記事では、化学系特有のデータに基づき、学生が求めている「確約」や「意思決定のポイント」について分析。内定承諾率を高めるための具体的なアプローチと、採用成功事例を解説します。

【データ解説】化学系学生が「内定辞退」する背景。キーワードは「配属確約」

多くの企業が「自社の技術力」や「安定性」をアピールしますが、化学系学生が企業選びの土台として気にしているのは、より現実的な「配属の確実性」にあることがデータから読み取れます。

「なんとなく総合職」は通用しない。確約への高い要求水準

「職種・勤務地の確約がない場合、内定承諾にどう影響するか」という問いに対し、化学系学生の回答には明確な傾向が見られました。

データによると、化学系学生の約7割が、確約がない場合に「内定承諾を迷う」または「辞退する」と回答しています。 これは機電系と比較しても高い水準にあり、「配属先が不透明なまま入社を決めること」への抵抗感が非常に強いことがわかります。

近年、ジョブ型雇用の浸透に伴い、学生の間では「自身の専門性が活かせるキャリア」への志向が強まっています。

特に化学系においては、この傾向が顕著であり、従来型の「入社してから配属を決める(総合職採用)」というスタンスは、それだけで優秀な学生を遠ざける要因になり得ると推察されます。

なぜ化学系は「配属リスク」を嫌うのか

なぜ、化学系学生はこれほどまでに「確約」を求めるのでしょうか。その背景には、化学分野特有の「専門性の細分化」が考えられます。

一口に「化学」と言っても、その領域は有機合成、無機材料、高分子、分析化学、化学工学など多岐にわたります。 学生にとって、「化学メーカーに入社できる」ことと「自分の研究スキルが活かせる」ことはイコールではありません。

例えば、有機合成の研究をしてきた学生が、全く異なるプロセス管理や品質保証の部署に配属された場合、これまで培ってきた専門性がリセットされてしまうのではないかという不安につながる可能性があります。

つまり、彼らが求めているのは単なる「内定」ではなく、「自分の専門性を活かせる場所(配属先)の約束」なのです。

内定承諾率を高めるアプローチ。重要な「製品への接続」

では、配属確約という土台の上で、学生は何を基準に入社企業を決めているのでしょうか。ここにも他専攻とは異なる、化学系ならではの特徴があります。

データで見る「決め手」の違い。化学系は「製品・サービスの魅力」

以下のデータは、専攻別に「内定承諾の決め手」を調査した結果です。

化学系学生が内定承諾を決定する上で重視した要素として「製品・サービスの魅力(17.9%)」が挙げられています。これは情報系学生(9.0%)と比較しても約2倍高い数値となっています。

化学系学生にとって、給与や福利厚生はもちろん重要ですが、「その会社が何を作っているか」「その製品が社会にどう貢献しているか」が決定打になりやすいことがわかります。 

素材や化学製品は、最終製品(自動車やスマホなど)の性能を左右する重要な要素です。自分の研究が、社会にインパクトを与える製品の一部になることに、強いやりがいを感じる傾向があると言えるでしょう。

研究内容を踏まえた役割の提示がポイント

このデータから導き出される有効なアプローチは、採用に関わる担当者が「翻訳者」になることです。

学生は社会人経験がないため、「自分の研究(シーズ)」が、企業の「製品開発(ニーズ)」にどう結びつくのか、具体的にイメージできていないことが多々あります。

そこで企業側から、「あなたの〇〇という高分子の研究は、当社のこの新素材開発の、特に耐久性を高めるこの課題解決に活かせる」と、技術的な共通言語を用いて接続してあげることが重要です。

「君なら活躍できそう」という抽象的な期待ではなく、「君のこの技術が、この製品のここに必要だ」という具体的な役割の提示こそが、化学系学生の心を動かすオファーとなります。

人事×現場連動の採用「Co-Lab採用(コラボ採用)」

学生が重視する「製品の魅力」や「専門性の発揮」は、人事だけでは伝えきれないケースがあったり、「入社後のイメージが湧かない」という理由で辞退に繋がるケースがあります。

ここで重要になるのが、人事と現場(研究・技術部門)が一体となった採用活動です。弊社では「Co-Lab(コラボ)採用」と提唱し、実践することで採用成功に繋がっている事例も多くございます。

詳細は下記の記事をご覧ください。

>> 理系採用を成功に導く 人事×現場協働型「Co-Lab(コラボ)採用」

化学系学生の採用成功事例(3選)

実際に、学生の専門性に向き合い、誠実なアプローチを行うことで採用課題を解決した企業の事例をご紹介します。

事例①:早期接触と現場主体のスカウトで「承諾0」を打破(化学製品メーカーB社)

化学製品メーカーのB社様は、かつて内定を10名に出しても承諾者が0名という、深刻な採用難に直面していました。

そこで同社は、「待ち」の姿勢を転換。早期からLabBaseで学生に接触すると同時に、採用担当者だけでなく、各配属先の現場社員が自らスカウトを送る運用へと変更しました。

その結果現場からのスカウトにより、早期選考につながり3名が入社決定するという成果につながりました。

事例②:「職種・勤務地確約」内定辞退を削減(メーカーC社)

メーカーC社では、設計開発職や生産技術職の採用を行っていましたが、国内拠点が分散しており、全国転勤ありの職種で辞退が多いという課題がありました。辞退者の大半が「配属未確定」を理由に挙げていた状況です。

そこでコースごとに選考体験を変えて仕事のイメージを具体的に持てるようにし、かつ特定のコースにおいて職種・勤務地を確約したことで、辞退を大幅に削減することにつながりました。

事例③:現場社員の登用で「専門性が活きる姿」を提示(ポーラ化成工業 様)

化粧品・医薬部外品の研究開発から生産まで一貫して行うポーラ化成工業株式会社様での事例です。化粧品メーカーの生産技術職は、学生にとって具体的な働くイメージが届きにくい課題がありました。

そこで同社は、現場の化学系出身社員をイベントに登用。「化学の知識がどう生産技術で活きるのか」を直接語ることで、学生の不安を払拭し、志望度の向上を実現しました。

>> “化粧品業界×生産技術職”の壁を越えて。ポーラ化成工業株式会社が「LabBaseNow」で実現した、質・量ともに高い出会い

まとめ|専門性の細分化に対応した「個」へのアプローチを

データと事例から見える化学系採用の成功法則は、非常にシンプルです。それは、学生の専門性を正しく理解し、敬意を持って「個」として接することです。

「化学系なら誰でもいい」ではなく、「あなたのこの研究成果が、当社のこの製品に必要です」と伝えること。

そして、可能な限り配属や職種を確約し、キャリアへの不安を取り除くこと。推薦利用が減少し、学生が自ら企業を選ぶようになった今こそ、こうした誠実で解像度の高いアプローチが求められています。

併せて読みたい:採用課題に合わせたおすすめ記事

本記事では「化学系専攻の学生の採用・内定承諾」にフォーカスしましたが、より広い視点や別のフェーズの課題解決には以下の記事もご活用ください。

>> 内定辞退率を下げ、承諾率を高める「アトラクト」の極意とは?現場連携と選考遷移率の改善策

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