
【本記事のポイント】
- 就活開始時期について、理系女性院生の約9割が修正1年(M1)の6月までに動き出しており、男子学生以上に早期から活動を開始している。
- 理系女性はエントリー先を吟味する傾向があり、インターンシップ等を通じて「社風」や「働き方の実態」を丁寧に見極めている。
- 「専門性の発揮」と「配属の透明性」への関心が非常に高く、理系女性に対しては個々の研究背景を尊重した丁寧なアプローチが承諾の鍵となる。
「理系女性の採用比率を高めたいが、母集団形成に苦戦している」 「女性向けの制度を整えているものの、なかなか自社の魅力が伝わっていないように感じる」
こうした課題をお持ちの採用担当者様は少なくありません。
理系学生に特化した採用支援を行うLabBase就職では、27卒の理系女性院生163名を含む、計666名の学生を対象に就職活動に関する調査を実施しました(2025年12月発表)。
その結果、理系女性が単に「働きやすさ」を求めているだけでなく、一人の研究者・技術者として「自身の専門性を活かせるかどうか」という観点も重要視している姿が見えてきました。
本記事では、最新データに基づき、優秀な理系女性に選ばれる企業が実践している成功例を交えながら、理系女性の採用を成功させるポイントをご紹介します。
目次
【データ解説】男子学生との違いから見る理系女性院生の就活傾向
理系女性の採用を考える上で注目したいのが、活動の早期化と、インターンシップ等の実体験を通じて「自身との適合性」を丁寧に見極める姿勢です。男子学生のデータと比較すると、以下3つの特徴が浮かび上がります。
男子学生を上回るペースで進む「活動の早期化」
理系女性院生のデータによると、88.7%が修士1年(M1)の6月までに就職活動を開始しています。なかでも最も多いのは「修士1年の4月(43.1%)」であり、これは男子学生よりも7.8ポイント高い結果でした。
また、11月時点での本選考エントリー率も、男子学生より6.1ポイント高い79%に達しています。

早期から動き出す傾向の強い理系女性に対しては、夏インターンシップ以前の「春」の段階から、接点作りを検討する価値があると考えられます。
エントリー先を「1社ずつ」見極める姿勢
11月時点で、理系女性院生のうち約半数が面接を経験していますが、その「社数」には特徴があります。男子学生は経験社数が1社〜6社の間で分散しているのに対し、理系女性は「1社のみ」が多くなっています。

理系女性は、早期に動き出しながらも、むやみにエントリー数を増やすのではなく、インターンシップ等を通じて「自身に合っている」と感じた企業に絞って活動していることがうかがえます。
「働く環境の解像度」を重視する傾向
応募先を探す軸として、男子学生と同様に「勤務地」や「職務内容」が上位に挙がりますが、理系女性において特徴的なのは「会社・人の雰囲気」を重視する割合が男子学生よりも高い点です。

理系女性が重視する「雰囲気」とは、「一人の技術者として尊重されるか」「ライフイベントを経てもキャリアを継続できる風土か」といった、自身の将来に直結するリアルな就業環境を指していると推察されます。
また、インターンシップに参加し志望度が上がった理由として最も回答が多かったのも「会社・人の雰囲気を知れたから」でした。


理系女性に選ばれる企業が大切にしている「3つの視点」
調査結果から見えてきたのは、自身の専門性をどう仕事に繋げ、どのような環境でキャリアを築いていくかを重視する理系女性の姿です。こうした意向に寄り添うために有効と考えられる、3つのアプローチを整理します。
「個の研究背景」に基づいた対話
理系女性の多くは、これまでに取り組んできた研究内容が活かせるかどうかを重視する傾向があります。
AIエンジニア志望学生の声
「求める要件や必要な技術スキルが具体的に記載されており、自分の研究とのマッチングが確認しやすかったことが決め手になりました」
設計開発職志望学生の声
「就活開始当初は、コンサル・シンクタンク・IT・メーカーと幅広い業界を見ていましたが、インターンシップを通じて自身の研究分野と近い”ものづくりができるメーカー”に絞ることに決めました」
例えば、学生にスカウトを送る際も、一律の定型文ではなく、プロフィールから読み取れる研究の独自性に触れることで、「あなたのスキルを必要としている/自社でなら活かせる」という実直なメッセージを伝えることが、理系女性の採用成功においては重要です。
関連記事:【例文付き】理系新卒向けスカウト文の書き方|学生の反応率がUPするポイントを紹介
「配属の透明性」を高め、ミスマッチを未然に防ぐ
調査では、理系女性の80.2%が内定前の「配属確約」を希望しており、なかでも「エントリー時点で職種や部署を確定させてほしい」と考える割合が男子学生に比べて高いのが特徴です。


「入社してみるまで、どこで・誰と・どんな仕事をするのかがわからない」という不透明さは、専門スキルや勤務地を軸に就職先を探す理系女性にとって、大きな懸念材料になり得ます。職種別採用などの仕組みを通じて、早期に活躍の場を明示できると良いでしょう。
関連記事:職種別採用のメリットと導入のポイント:理系採用のミスマッチを防ぐには
ワークライフバランスや社風に関する「具体的な実態」の提示
理系女性の傾向として、エントリーの決め手に「ワークライフバランス」や「会社・人の雰囲気」を挙げる割合が、男子学生に比べてやや高いというデータがあります。



理系女性が求めているのは、単に「残業がない」といった条件面の良さだけではありません。職種特有の忙しさを理解した上で、その実態が「許容範囲内か」「柔軟に働ける環境か」を、周囲の社員の動きから冷静に判断している様子が伺えます。
AIエンジニア志望学生の声
「職種柄、ハードな働き方が一定存在することは認知しており、そうした環境も許容はしていますが、それが過度にならないことが重要だと考えています。インターンシップに参加した会社では、隣の部署の方が適宜リモートワークを活用しているなど、良い意味での自由度の高さが感じられ、非常に好印象でした」
この声からは、学生が「リクルーターだけ」を見ているのではなく、「隣の部署の社員」の働き方まで観察して、その企業の自由度や文化を推し量っていることが分かります。
また、別の学生からも、具体的な「実態」を確認したいという意向が示されています。
設計開発職志望学生の声
「フラットな社風かどうかを特に重視しています。適切に休みがとれるかどうか(お昼休憩をとれる・週2日休みなど)といった観点でのワークライフバランスも、確認しておきたいポイントです」
抽象的な「働きやすさ」のアピールよりも、リモートワークの活用状況や休憩の取り方といった「現場のリアルな運用実態」をありのままに提示することが、自社との適合性を判断しようとする理系女性にとって、最も信頼できる情報になるようです。
【成功事例】採用成果に繋げた3社のケース
理系女性のキャリア観に寄り添い、LabBase就職を活用して成果を出された事例を紹介します。
事例1:女性社員との対話を通じ、先入観を払拭(計装・制御機器メーカー)
- 課題: 生産現場=男性職場というイメージから、女性の母集団形成が極小だった。
- 施策: 女性技術職とのカジュアル面談枠を用意。育児時短で活躍する社員が参加するインターンを実施した。
- 結果: 理系女性のエントリー数が前年比4.2倍に拡大。


事例2:研究内容に基づいた役割提示で応募率40%を達成(IT・ソフトウェア)
- 課題: データサイエンスト領域での理系女性比率の低さに悩んでいた。
- 施策: 学生の研究内容を読み込み、具体的な活躍の場を提示するパーソナライズスカウトを実施。
- 結果: 該当職種の理系女性応募率が40%に上昇。


事例3:実務体験と座談会で「活躍のイメージ」を具体化(素材メーカー)
- 課題: 現場仕事への心理的なハードルにより、理系女性のエントリーが伸び悩んでいた。
- 施策: 5日間の実験体験型インターンを開催。女性先輩社員との座談会を連日設け、等身大のキャリアを提示した。
- 結果: 参加者の40%を理系女性が占め、高い内定承諾率に繋がった。


まとめ
理系女性院生への調査を通じて見えてきたのは、自身の専門性を軸に据えながら、働く環境の実態を冷静に、かつ具体的に見極めようとする学生たちの姿です。
LabBase就職には、機械・電気・情報・化学系をはじめ、多様な専攻分野で研究に励む理系女性が多く登録しています。


理系女性が求めているのは、一人の技術者・研究者としての「専門性への理解」や、柔軟な働き方が浸透している「現場のリアルな姿」でした。
コミュニケーションの取り方を工夫したり、現場社員の中からロールモデルとなる方をアサインして引き合わせるなどの取り組みが必要になると思われます。
あわせて読みたい:27卒理系女性院生の“本音”大解剖レポート(2025年12月速報)
本記事でご紹介したアンケート結果のレポートを無料でご覧いただけます。
>>資料ダウンロードはこちらから
- 専攻別の志望動向:情報系・機電系・化学系など、専攻によって異なる第1志望業界・職種のデータを網羅。
- インターン参加実態:理系女性が「志望度が上がった/下がった」と感じたインターンの具体的な内容。
- 学生インタビュー全文:記事で紹介しきれなかった、AIエンジニア志望や機械工学専攻の学生による「企業選びのリアルな判断基準」。
- 採用成功事例の詳細:各社がどのようなスカウト文面やインターン設計で理系女性の採用に成功したか、その舞台裏を公開。

