
人事・事業部門で創り上げる理系採用を革新!
リコーが実現した「スモールスタート」からの確かな成果と、広がる可能性
企業概要

- 従業員数
- 連結79,544人/単体7,282人(2023年2月末現在)
- 業種
- メーカー
株式会社リコーは、長年にわたりオフィス向け複合機やプリンターなどのOA機器、産業用製品のリーディングカンパニーとして、多岐にわたる事業を展開するグローバル企業です。創業以来培ってきた先進的な技術力と、常にイノベーションを追求する姿勢で、お客様の働き方の未来を創造し、社会の課題解決に貢献し続けています。近年では、急速なペーパーレス化やデジタル化の波を受け、従来の「OAメーカー」という枠を超え、お客様のビジネスプロセス全体を支援する「デジタルサービスの会社」へと業態転換を強力に推し進めています。この変革を支えるため、未来を担う理系人材、特にデジタル領域の専門性を持つ人材の採用には、並々ならぬ情熱と戦略を注いでいます。
記事概要
「理系採用」は、多くの企業にとって喫緊の課題であり、いかに優秀な人材を確保し、事業成長に繋げるかは、企業の未来を左右する重要な経営戦略です。本記事では、株式会社リコーが人事部門と事業部門が緊密に連携し、長年の課題であった理系採用の壁をどのように乗り越え、確かな成果を上げたのか、その導入事例を詳細にご紹介します。特に、大規模な変革ではなく「スモールスタート」で取り組みを始め、現場の声を吸い上げながら採用プロセスを試行錯誤し、継続的に洗練させていった軌跡に焦点を当てます。この実践から得られた具体的な知見と、今後の展望は、同様の課題を抱える多くの企業にとって、実践的なヒントと示唆を与えることでしょう。
導入前の課題
・学求める人材ニーズの変化への対応
・企業イメージと実態のギャップ
・ニッチな職種への対応の難しさ
・従来の採用手法の限界
・人事部門と事業部門間の連携不足
ソリューション導入の決め手
・ピンポイントでのマッチングの実現
・ニッチな職種への効果的なアプローチ
・「スモールスタート」による導入の容易さとリスク低減
・現場社員の採用への主体的な関与と当事者意識の醸成
・学生の候補者体験の向上と相互理解の深化
導入後の具体的な成果
・部門が納得する優秀な学生との出会いと採用効率の劇的向上
・リコーの新たな事業領域の認知拡大とブランドイメージの刷新
・現場社員の採用活動へのポジティブな意識変化とエンゲージメント向上
・採用プロセスの継続的な洗練と最適化
・学生の納得感と理解度の向上によるミスマッチの低減
理系採用における課題とソリューション導入の背景
加茂 倫明(LabBase CEO): 本日はお忙しい中、貴重な機会をいただきありがとうございます。まず、深瀬様と松澤様から、貴社が理系採用においてどのような課題を抱えていたのか、詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
深瀬 貴大(株式会社リコー 人事総務部): 弊社の業態が従来のOAメーカーからデジタルサービスの会社へと変化する中で、求める人材ニーズも大きく変わってきました。特に、AI、データサイエンス、IoTといった先端技術を担うデジタル人材の採用が急務でしたが、学生のリコーに対するイメージと実態にギャップがあり、従来の採用手法だけでは適切な人材に効率的にリーチできない点が大きな課題でした。
松澤 あゆみ(株式会社リコー 事業創造室): 私たちの事業部門としても、特定の研究テーマやスキルを持つ学生と直接接点を持ち、その人となりや研究内容を深く理解したいというニーズがありました。しかし、従来の採用プロセスでは、人事主導で画一的な選考が行われることが多く、事業部門が個別の学生と深く関わる機会が少なかったため、入社後のミスマッチが生じることもありました。
加茂 倫明: なるほど。そういった課題に対し、貴社ではどのようなアプローチを検討されていたのでしょうか?また、数あるソリューションの中から、今回導入されたソリューションを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
深瀬 貴大: 従来の採用活動は人事主導で行うことが多かったのですが、理系採用、特に専門性の高い領域においては事業部門の専門的な視点が不可欠だと強く感じていました。そのため、事業部門が採用活動に主体的に関与できるような仕組みを模索していました。
松澤 あゆみ: 私たちは、特定のテーマで研究している学生と直接対話できる機会を強く求めていました。今回のソリューションを選んだ決め手は、まさに事業部門が能動的に学生と出会えるプラットフォームであること、そして「スモールスタート」で効果を検証できる点でした。いきなり全社的な導入ではなく、まずは自分たちの事業部で試せるという点が、導入のハードルを大きく下げてくれました。
加茂 倫明: 「スモールスタート」が決め手の一つだったのですね。具体的に、どのようにスモールスタートを切られたのでしょうか?また、その中でどのような工夫をされたのか教えていただけますか?
松澤 あゆみ: まずは、私たちの事業部で特に採用したい研究テーマを設定し、それに合致する学生さんを少人数から探す形で始めました。人事から「ラボベースを使ってみませんか?」と声がかかった際、研究所内の各研究センターに声をかけたところ、予想以上に多くのセンターが「こんなものがあるならぜひ使ってみたい」と手を挙げてくれました。そこで、最初は特に意欲の高い1〜2つのセンターに絞ってスタートしました。
深瀬 貴大: 人事としては、事業部門がスムーズに採用活動を進められるよう、プラットフォームの操作方法のレクチャーや、学生とのコミュニケーションにおけるアドバイスを行いました。トライアル初年度は3〜4つの募集テーマに限定し、現場の負荷を考慮しつつ、効果を検証しながら進めました。この段階的なアプローチが、その後の全社展開への土台となりました。
現場主導の運用と成功への工夫
加茂 倫明: 実際に導入されてみて、運用面で特に工夫された点や、成功につながった要因は何だとお考えでしょうか?
松澤 あゆみ: 成功要因は、やはり事業部門のメンバーが積極的に学生さんとコミュニケーションを取ったことだと感じています。学生さん一人ひとりの研究内容を深く理解し、私たちの事業部でどのようにその知識やスキルを活かせるのか、具体的なイメージを持って対話することを心がけました。その結果、「本当にこういう人に来てほしいと思っていた人を採用できた」という声が多く聞かれ、入社後の活躍にも繋がっていると感じています。
深瀬 貴大: 人事としても、単に学生をマッチングさせるだけでなく、事業部門が学生と長期的な関係を築けるよう、イベントの企画やフォローアップ体制の構築に力を入れました。具体的には、スカウトの送付文面テンプレートを用意し、学生のプロフィールから「この3つのポイントを拾って書く」といった具体的な指示を出すことで、現場社員がスムーズにパーソナライズされたスカウトを送れるようにしました。また、カジュアル面談の際には、人事が初回に同席して「お手本」を見せることで、現場社員が学生とのコミュニケーションに慣れるようサポートしました。
加茂 倫明: それは素晴らしいですね。導入後、貴社内で具体的な変化や社内への良い波及効果はありましたか?
深瀬 貴大: はい、まず人事部門としては、特定の事業部で成果が出たことで、他の事業部からも理系採用への関心が高まりました。これまでは人事主導だった採用活動に、事業部門が積極的に関わるようになったのは大きな変化です。採用活動が「人事の仕事」から「全社的な取り組み」へと意識がシフトしたと感じています。
松澤 あゆみ: 私たちの事業部では、これまで出会えなかった多様な専門性を持つ学生と出会えるようになり、採用の選択肢が格段に広がりました。特に、iPS細胞関連や環境経営推進といったニッチな分野で、リコーの取り組みを知らなかった学生に直接アプローチできたことは大きな収穫です。実際に採用に繋がったことで、社内でも「このやり方なら優秀な理系学生を採れる」という認識が広がり、採用活動への協力体制も強化されました。
導入効果と今後の展望、そして他社へのメッセージ
加茂 倫明: 今後の展望や、この取り組みを通じてどのようなことを期待されていますか?
深瀬 貴大: 今後は、今回得られた知見や成功事例を社内の他の事業部にも展開し、リコー全体の理系採用力をさらに強化していきたいと考えています。より効率よく学生さんとマッチングする仕組みとして、AIを活用したレコメンド機能など、プラットフォームのさらなる進化にも期待しています。学生データベースが拡大する中で、求める人材をより素早く、的確に見つけ出すための機能強化は不可欠だと感じています。
松澤 あゆみ: 私たち事業部門としては、単に採用するだけでなく、学生の皆さんがリコーで最大限に能力を発揮し、入社後も活躍できるような環境を提供したいと考えています。内定後の引きつけも大きな課題であり、学生との「程よい距離感」を保ちながら、企業へのエンゲージメントを高められるような仕組みを共に作っていきたいです。例えば、しつこすぎず、放置しすぎない、学生の状況に合わせた情報提供や交流の機会を模索しています。
加茂 倫明: 最後に、同様の課題を抱える他の企業に向けて、メッセージをお願いいたします。
深瀬 貴大: 理系採用に課題を感じている企業様は、ぜひ人事部門と事業部門が一体となって取り組むことを検討してみてください。弊社も最初は細かなトラブルや軌道修正を重ねましたが、最も重要なのは「スモールスタート」で始めてみることです。小さな成功体験を積み重ねることが、大きな変革へと繋がるはずです。どこか一部門で成功事例を作ることが、他の部門への波及効果を生み、全社的な取り組みへと発展させる鍵となります。
松澤 あゆみ: トライアルから始めてみると、本当に多くの気づきがあり、改善点が見えてきます。一般的にスカウトは高い返信率を期待できないと思われがちですが、一人ひとりに刺さるスカウトや丁寧な対応は、工数がかかるように見えても、結果的に高い歩留まりと入社率に繋がり、むしろ効率的だと実感しています。入社後のミスマッチを防ぎ、学生が長期的に活躍できることは、企業にとっても大きなメリットです。研究を頑張っている学生さんが、良い会社とマッチングできるような形で、世の中全体が良い方向に向かうことに貢献できれば幸いです。ぜひ一度トライしてみることをお勧めいたします。
まとめ
株式会社リコーの事例は、人事と事業部門の緊密な連携、そして「スモールスタート」という柔軟かつ戦略的なアプローチが、現代の理系採用における複雑な課題解決にいかに有効であるかを明確に示しています。従来の採用手法に限界を感じている企業、特に専門性の高い理系人材の確保に苦慮している企業にとって、この事例は新たな採用戦略を検討する上で、具体的な行動を促す重要なヒントとなるでしょう。
貴社も、もし理系採用において同様の課題を抱えているのであれば、まずは人事と事業部門が連携し、「スモールスタート」で新しい採用手法を試してみてはいかがでしょうか。リコーが経験した成功と学びは、貴社の採用活動に確かな変革をもたらすはずです。詳細な資料ダウンロードや、貴社の状況に合わせた個別のご相談も承っておりますので、ぜひこの機会にお気軽にお問い合わせください。
※この記事は2025/05/19のイベントを元に生成AIによって作成されました