現場を巻き込みLabBase就職を有効活用することで活用初年度から5名の内定承諾を達成

エーザイ株式会社

従業員数
連結:11,322人 個別:3,034人(2022年3月末現在)
業種
医薬品の研究開発、製造、販売及び輸入出

エーザイが目指す企業像は「一人ひとりが法令と倫理を遵守したビジネス活動を徹底し、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア企業」であり、その企業理念は「患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を考え、そのベネフィット向上を第一義とし、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足する」ことです。すなわち、あらゆる疾病の予防・治療・ケアの場面で、医療の一翼を担う企業としての使命を果たし、世界の人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献することをエーザイは目指しています。

課題

・IT領域の事業拡大を企図しているが情報系学生からの応募が少ない
・部門が求めるレベルの高スキル学生からの応募が少ない

導入の決め手

・GitHubや学会論文も掲載されている理系学生のプロフィールの充実度
・質の高い学生データベース

効果

・LabBase就職経由のみでITデジタル職、データアナリスト職の採用目標人数を達成
・内定5名、内定承諾5名と内定承諾率100%の結果
・現場が求めるレベルの高い優秀な学生を採用できた

中期経営計画「EWAY 2025」における「ICT Driven Innovation」戦略のもと、経営戦略とICT戦略を融合したデジタルトランスフォーメーション実現に向けて、IT活用による企業価値向上に向けた様々な取り組みを推進しているエーザイ株式会社。同社は、経済産業省と東京証券取引所が選定する「攻めのIT経営銘柄2019」にも選出されている一方で、新卒の情報系学生から取り組みに対する認知度が低く、学生からの自発的応募による採用のみでは自社が求めるレベルの理系学生が集まらない課題がありました。
そこでLabBase就職を導入し、現場のエンジニア社員を巻き込んだ密なコミュニケーションを実施。その結果、IT職種の採用目標数を全てLabBase就職経由で達成したといいます。そこで今回は、グローバルHRストラテジー部の福田幸正氏にLabBase就職の活用、現場巻き込みのコツについて、じっくりお話を伺いました。

※2023年3月取材時の情報です

DX人財の重要性が増す中で情報系学生からの認知度が低い状況だった

―― 御社の事業や組織、採用の変化について教えてください。

エーザイ株式会社と聞くと病気を患っている患者様に向けた薬剤の提供や新薬の研究開発をしている製薬会社のイメージが強いかと思います。しかしながら2021年4月よりスタートした中期経営計画「EWAY Future & Beyond」では、当社が貢献すべきヘルスケアの主役を医療領域のみならず日常領域で生活する人々にまで拡大しており、アンメット・メディカルニーズが極めて高く、我々が最も強みを持つニューロロジー領域とオンコロジー領域に立脚したサイエンスとデータに基づくソリューションを創出し、他産業やグループ企業との連携によるエコシステムの構築を通じて、人々の「生ききる」を支えるhhceco(hhc理念+エコシステム)企業へと進化することをめざしています。
上記背景から採用の観点で、医学薬学系の学生だけではなく様々なバックグラウンドを持つ人財採用の重要度が高まっているため情報系学生の獲得にも重きを置いております。

―― 新卒採用においてどのような課題がありましたか?

情報系学生からのITデジタル職に対する認知度が低い点が大きな課題でした。先述した通りエーザイは2019年に「攻めのIT経営銘柄」に製薬企業として初めて選定され、製薬業界で働く方たちからのIT領域強化の認知は進んでいましたが、特に情報系の学生からの認知度は非常に低く就職先の選択肢として選ばれることがほとんどないのが現実でした。

―― LabBase就職を導入する前は、どのような手法で採用されていたのでしょうか?

導入前は、就職情報サイト(ナビサイト)や大規模な会社説明会をメインで行っていました。MR職や研究開発職、生産管理・技術職等と合わせて募集を掲載したのですが、ITデジタル職の応募はわずか15名程度であり、大部分の学生が情報学やプログラミングに触れたことのない学生でした。より質の高いIT人財を効率的に採用するために、LabBase就職を活用した攻めの採用を行いました。

理系学生の姿勢や考えが見える。プロフィールの充実度が導入の決め手に

―― LabBase就職導入の決め手は何でしょうか?

学生のプロフィールの充実度が大きな決め手となりました。スカウトを送る上で、理系学生のプロフィールがどのくらい充実しているかは非常に重要です。LabBase就職では学生のプログラミングスキルや研究成果、またGitHubや自分が関わった学会の発表論文も掲載されています。そのような記載から、研究に対して真摯に取り組んでいる姿勢など学生の人柄が見えてきます。 専門性のある理系学生を見極め、1人ひとりに寄り添ったスカウトをするためにもプロフィール情報が豊富にあることが魅力でした。
また同様のダイレクトリクルーティングサービスが複数ある中で、LabBase就職は費用対効果やデータベースの質の観点でエーザイにフィットしていたため、導入することにしました。

―― どのような職種に対して活用していますか?

「ITデジタル職」「データアナリスト職」「データサイエンティスト職」「生産管理・技術職」「創薬研究職」の5つの職種でLabBase就職を活用しています。その中でも特に採用数が少ない職種での活用が目立っています。

例えば、私が担当しているITデジタル職やデータアナリスト職のポジションは直近では1~2名の採用です。これらの職種においては従来の説明会や外部のセミナーへ参加するのではなく、LabBase就職を活用して1人ひとりにスカウトを行い、現場エンジニア同席のもと会社の魅力付けを行い選考に進んでいただいています。

スカウトから選考まで一貫した個別のコミュニケーションで、内定承諾率100%

―― どういった成果が出たのでしょうか?

FY22採用ではLabBase経由で選考に進んだ学生5名に内定を出し、5名全員から承諾という結果になりました。詳細としては、172通のスカウトメールを送信し102件のスカウト承諾、そこから面接を経て5名の内定につながっていきました。内訳は、「ITデジタル職」が2名、「生産管理・技術職」が2名、「データアナリスト職」が1名です。「ITデジタル職」と「データアナリスト職」については、LabBase就職経由のみで採用目標人数を達成し、現場社員からも「例年と比較し学生の質が上がった」と言われました。

―― スカウトを使う際の工数に関してはいかがですか?

レジュメを見て、スカウトして、面談する、というプロセスは、正直すごく手間がかかります。ただ中長期的な目線で見れば、効率が良いと思っています。1人の学生へ時間をかけることで、その学生が会社を理解し、面接を通過する可能性が上がる。また、内定を出した後も内定辞退になる可能性も低くなりますよね。

さらに長期的に考えると、学生自身が時間をかけて会社理解・自己理解をした上で納得感を持って入社するため、入社後の早期退職リスクも低減される。なので、長い目でみるとスカウトに時間をかけた方が会社にとっても学生にとってもメリットが大きいと思います。

――成果を出す上で、スカウトや面談で大切にしていることはありますか?

ITデジタル職においてはスカウトから選考まで、一貫して学生と個別にコミュニケーションをすることを大切にしています。製薬会社だとMR職や創薬研究職、生産管理・技術職を希望している学生が多いため、他職種含む大規模な会社説明会だとITデジタル職を志望する情報系学生の参加が少なく、限られた時間内でITデジタル職の魅力を発信することが困難です。
ですので、ITデジタル職やデータアナリスト職については個別のコミュニケーションが取れる環境を用意し、訴求することを大事にしています。

現場を徹底的に巻き込んで、スカウトや面談を実施

―― 現場の方を巻き込んでスカウトをしていると伺いました。どのようにスカウトをしていますか?

スカウトを送る前には、現場のエンジニアにプロフィールを確認してもらっています。まず、人事が理系学生をピックアップし「この学生にスカウトを送りたいと思っているのですが、確認いただけませんか?」と部門長にプロフィールを見てもらいます。その後、部門長の意見も踏まえながら、スカウトを送信します。

―― スカウトではどのような案内をしていますか?

スカウトでは個別に面談案内をしており、スカウト受諾して下さった学生と60分間の面談を実施しています。面談には人事と部門の若手社員が参加します。若手社員の働き方が知りたい学生が多いため、入社3年目から5年目ぐらいの若手社員を5人ほど選定し、一番マッチしそうな親和性のある方に同席いただきます。面談では会社からは部門と会社の説明を行い、学生にはこれまでの経験や就活での考えなどを話してもらい、相互にコミュニケーションを図っています。

――現場の方と協力体制を作るコツはありますか?

人事だけで採用活動を進め、現場のエンジニアが関わるのは面接の一部だけといった採用活動は採用成功率が下がったり、入社後のミスマッチなどリスクが発生すると考えています。
そのためエーザイでは採用計画を立てる段階から現場の技術責任者を交えて、求める人物像を整理し、採用に関する意見や要望を丁寧に聞いています。また採用活動を開始する際はIT部門の方たちも含めキックオフを行い採用目標や方針の共有、社員一人ひとりが採用に携わっているという意識づけも行っています。
また協力してくださった現場社員からは「エーザイで働く事に対する自身のエンゲージメントが高まりました」という声がありました。エーザイの魅力を自分たちの言葉で学生にプレゼンテーションする中で、社員自身も改めて自己分析や会社への想いを言語化ができる、そのような副次的な効果もあると思います。

エーザイに興味のない学生をいかに共感させられるかに向き合う

―― 今後の理系採用の展望を教えてください。

学生とオフラインで接する機会を増やしていきたいと考えています。新型コロナウイルスの影響により、ここ数年はほとんどの面接がオンライン形式でした。しかしオンラインでは得られる情報が限られると考えています。オフラインで接する中でより信頼関係が生まれてくると思うので、今後はオフラインで学生と話す機会を増やしていきたいです。

経営戦略や時代の変化により採用の正解は常に変化していきます。これまでのやり方を変えなければ会社が求める優秀な人財を採用できないことは明らかです。会社が求めるスキルを有した学生を獲得するためには受け身の採用ではなく、エーザイに全く興味のないターゲット学生に対して、エーザイのITってこんなにすごいことやっているんだよ、こんなビジョンがあるんだよ、ということを伝えて、そこに共感してくれた学生に入社いただきたい。これが採用の本質であり、人事の仕事の醍醐味だと思っています。そのためにも、これからもLabBase就職を活用し理系学生に対してエーザイの魅力を丁寧に訴求していきたいです。

―― 最後に

エーザイではヒューマン・ヘルスケア(hhc)の理念がグループ社員一人ひとりに浸透し、国籍・国境・性別・年代を越えて共有化され、日々業務として実践されています。 今後もLabBase就職を活用し会社の理念を発信し共感いただける学生さんと話をしてみたいと思っていますので、是非飛び込んできていただきたいです。

 

 

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この資料からわかること

  • LabBase就職サービス紹介

    どのようなサービスで、どのような理系学生が利用しているのか

  • 導入事例

    LabBase就職を活用し、採用に関する課題をどのように解決することができるのか

  • 理系学生の就活動向

    専攻別のエントリー数や内定数など、理系学生はどのような動きをしているのか