攻めの姿勢で採用が難しかった関東、関西圏の学生の採用に成功しました。
株式会社デンソー
- 従業員数
- 10万名以上
- 業種
- メーカー(その他)
2004年の創業以来、独創的なソフトウェアやクラウドサービスを開発・提供し、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進してきた。帳票運用基盤の『SVF』は累計導入社数32,900社以上で国内シェア1位。データ基盤ソリューション『Dr.Sum』、情報活用ダッシュボード『MotionBoard』は、企業内外に蓄積された膨大なデータを、誰もが必要なときに集計・分析、可視化できるBI製品・サービスを提供。データの価値を最大化し、ビジネスにイノベーションを起こすことで世の中を変革させ、新しい未来を作っていく「Data Empowerment」の実現を目指す。
・エンジニア採用の新規チャネル獲得
・自社採用力の向上
・応募者情報のプロフィールが充実している
・求人媒体としても利用できる
・採用競合他社の利用実績と成功実績がある
・スカウトのみでエンジニア上位層9名の採用決定に成功
・導入初年度から自社獲得での有効応募が前年度対比約10倍に
・社内を巻き込んだ採用活動が進展し、自社の採用力が向上
データ活用領域で、BIと帳票の両事業を柱とし、自社開発によるソフトウェア/クラウドサービスと、それらをもとにしたソリューション提供を行うウイングアーク1st株式会社。同社は、24卒の新卒採用において、LabBase就職を導入し、初年度でエンジニアの上位層9名の採用に成功しました。
エンジニアに対する市場の需要が高まる中、同社がどのように採用活動を進め、成功を収めたのかを、同社人材獲得部門で採用を牽引する南氏にお話を伺いました。
LabBase就職導入以前は、プロダクト開発に取り組む「開発エンジニア」職の採用について、エンジニアに特化した人材紹介を活用し採用していました。当時は新卒エンジニア採用のチャネルとしては人材紹介経由が100%でしたが、例年の採用成果については、学生の質・量ともに現場・経営から一定の高評価を得ていました。
しかしながら採用担当としては、近年のエンジニア採用市場における獲得競争激化を背景に、採用チャネルを新卒紹介だけに依存していることに危機感を感じていました。そもそも採用の「あるべき状態」として、自社にとって必要な人材を、自社の力で、事業成長に資する質と量とスピードでもって獲得できる、これを目指さないといけないと考えました。このような背景から、採用チームとして「自社採用力」を向上させるべく、新しいエンジニアの獲得チャネルを模索することになりました。
ターゲットのいる市場に自分たちからアプローチできるという点が最大の理由ですね。当社では、毎年10名前後の新卒開発エンジニアを採用しています。ターゲットとなるのは、学生時代から趣味でアプリ開発をしていたり、企業でエンジニアとして実務の開発にアルバイトなどで従事しているなど、いわゆる「授業+αの成果物がある」開発力を持った層です。ちなみにこういった学生は就活生1学年におよそ5,000~7,000人程度しかいないといわれています。こうしたハイレベル層を、紹介会社さんだけに頼らずに、自社のアクションのみで獲得できるようになるべく「3年で、採用目標人数の半分以上を自分たちで獲得できるようになる」という目標を掲げ、アクションプランを立てました。
そのために必要な施策を洗い出した中の1つがダイレクトリクルーティングだったんです。他にも、「インターン内製」「大学等のクローズドなコミュニティとのリレーション構築」「新卒のリファラル」「自社主催のイベント」などの選択肢も検討しました。
その中でもダイレクトリクルーティングは、自社で候補者データベースを持ち、すぐにターゲット人材にアプローチを開始できる。ソーシングのアクションが可視化されるので自分たちの採用活動の課題が発見できるなど、自社採用力を上げるうえでの第一歩として必要な要素が満たされており、導入を検討することにしました。
魅力的だったポイントは3つあります。
まず、1つ目は応募者情報のプロフィールの充実度です。研究内容やスキル、これからやってみたいことがわかることはもちろんですが、LabBase就職は候補者側の記述項目が多く、また多くのユーザー学生はそうした多くの項目をしっかりと記載しています。スカウトである以上、学生さんのプロフィール内容に沿った丁寧なスカウトメールをお送りする必要がある中で、求める情報がしっかりと記載されていることが魅力的でした。
2つ目に、求人媒体としての利用性が挙げられます。ダイレクトリクルーティングサービスなので、スカウトメールを送ることは当然ですが、採用活動全体の「入り口」の施策である以上、企業名をなるべく発見される状態にもしておきたいという思いはありました。求人を常時掲載できる状態にあることが、企業の認知獲得につながる可能性を秘めていると考えました。
最後に、3つ目は競合他社の利用状況です。
具体的には、競合他社がLabBase就職を利用しているか、そしてその利用が成功しているかどうかを確認しました。サービスによっては「大手企業ばかり」「IT企業が少ない」などがあって、自社とバッティングしない企業ばかりだと逆に不安になったんです。
実際に調べてみると、採用で頻繁に競合する他社がLabBase就職を利用していて、成功している例があることがわかり、これはある種安心できると思いました。自社が欲しい学生がいるということが、それによってわかったので、非常に安心感が得られました。
年内で採用ターゲットレベル60名規模の有効募集団の形成ができ、その中からエンジニア上位層9名の採用につながりました。前年度までは紹介経由での採用が本当にうまくいっていたので、自社アプローチで形成した母集団というのは、ほぼゼロでしたので、自社アクションでの母集団形成が初年度からこれほどうまくいくとは、正直想定以上でした。
最もスカウトを積極的に送信していた期間は、5月から8月までで、承諾率は61.6%でした。導入初年度は前年に比べてプログラミング経験のある学生との接触数が10倍増加し、非常に満足しています。
LabBase就職を活用したことで、社内を巻き込んだ採用活動が進展したと感じています。例えば、スカウトを通じたターゲット学生との面談が増え、採用担当者としてエンジニア候補者との面談スキルが向上したと考えています。さらに、開発部門を巻き込んでの自社イベント実施やインターンシップの内製化にも取り組むことができました。その結果、24卒で用意した全ての採用施策経由から、内定承諾者を得ることができました。
定量的な結果や成果が出たことはもちろん、それに至るまでの取り組みが、すべて資産となって蓄積されることもポイントです。自社採用力を上げるために、LabBase就職を活用し、採用担当自身も優秀な候補者との対話を通じて成長しますし、経営も巻き込んでエンジニア採用プロジェクトを組成したり、部門と協力してインターンシップを内製したり、様々なことに取り組んだ結果、ナレッジやコンテンツが蓄積し、組織としての学習が進んだことが、何よりの成果だったと思います。
初回接触では必ず採用担当者とのカジュアル面談をご案内しています。
面談では、応募者の方から興味のあることや今後のキャリアプランについてお聞きしたり、あまり誰も教えてくれないような「IT業界の構造の話」「エンジニアキャリアの考え方」の話など、エンジニア就活をしていくうえで知るべき話をお伝えしています。その後は学生1人1人のニーズに合わせて個別に次回接点の内容をご提案しています。例えば、もう1度カジュアル面談のご案内やCTOセッション、インターンシップ、コーディング面談など、アトラクトのためのさまざまなコンテンツを提供しています。
スカウトを送る際には、受け取った側のメリットを必ず想定するようにしています。具体的には、「これからやってみたいこと」を読み、学生のWillの部分に着目し、自社で提供できる価値を示すように心がけています。
学生のWillの部分に着目して、自社で提供できるものかどうかを考え「当社だったらこういうものが提供できると思います」とWillに沿ってメッセージを送ることが重要だと思っています。
まず、「学生メリット10」を重視したコンテンツ設計を行うことです。例えば、インターンシップで自社紹介をメインに実施したり、カジュアル面談の際に学生さんが頼んでもないのに会社説明を長々としたりなどこれらは徹頭徹尾まちがいです。候補者ニーズに沿っていないのと、実は狙っているほど効果が出ません。
そこで、インターンシップに参加する学生に「職業エンジニアをキャリアとして検討するために役立つ学びを提供する」という観点からコンテンツを設計していくことを心がけています。その中で、自社の製品やサービスを活用することもあるかもしれませんが、それはあくまでも補足的な役割にとどめ、主眼は学生が得られる学びに置いています。
また、学生が必要とする情報を必要なタイミングで提供することも大切です。就活を始める時期や興味度合いは学生によって異なりますので、コンテンツの形式や提供のタイミングを4〜5個程度設けることで、学生が自分に合った選考フローを選ぶことができるようにしています。
結果として、学生から「自分に合わせた機会提供をしてくれる」という評価をいただくこともあり、学生にとって価値のあるコンテンツを提供できていると考えています。
自社にとって優秀な人材を「自分たちで」探して、採用につなげることは、今や「Want to Have」ではなく「Must Have」となっています。少なくとも、新卒採用を「自社への中長期的な定着活動を通じた、自社の継続的な成長発展のため」と位置づけている企業なら、ダイレクトリクルーティングを導入しない理由はありません。
ダイレクトリクルーティングは、自社なりの勝ちパターンを見つけるための試行錯誤の場でもあります。そして、ナレッジが蓄積され、採用力の向上にもつながります。長期的にコア人材を獲得することが目的であれば、他の採用手法よりも施策として上位に位置づけるべきです。
採用担当(部署)が、全社を巻き込んで採用活動を展開する上では、ダイレクトリクルーティングはまずはじめの一歩となるでしょう。自社にとって優秀な人材のプールで認知度を上げるためには、自社でデータベースを持ち、自分たちがアプローチするべき人を決めて、そこにアプローチすることが必要です。
ホームページ経由で大量にエントリーがくる場合は、ダイレクトリクルーティングを導入しなくても問題ありませんが、そういった会社はごく一部です。少なくとも、自社でデータベースを持って、自分たちが会いたい人を自分たちで探して、声をかけて、ファンになってもらって、自分たちを選んでもらう、この一連の活動を常に自社がハンドルを握って回すことが非常に重要だと思います。
一緒に理系高度専門人材の採用市場を盛り上げていきたいと思っています。ダイレクトリクルーティング以外も含めて、この市場を盛り上げる活動を一緒にしたいしたいです。
今後ともLabBaseがこの分野でリーダーシップを発揮し、市場全体の成長に貢献していくことを期待しています。
この資料からわかること
どのようなサービスで、どのような理系学生が利用しているのか
LabBase就職を活用し、採用に関する課題をどのように解決することができるのか
専攻別のエントリー数や内定数など、理系学生はどのような動きをしているのか