
具体的な専門領域に踏み込んでリーチ。学生と1to1の関係性を構築。
キヤノン株式会社
- 従業員数
- 25,740人
- 業種
- 電気機器
1957年12月設立。石油化学分野のエラストマー事業からスタートし、長年培ってきた高分子技術をベースに新たな事業分野に進出、現在は半導体材料、ディスプレイ材料に代表されるデジタルソリューション事業が大きな収益の柱となっている。さらに近年は、新たな収益の柱とすべくライフサイエンス事業にも力を入れるなど、多角化経営を一層推進している。合成ゴムやABS樹脂では国内トップシェア、半導体材料やディスプレイ材料で複数の世界トップシェアを有する東証一部上場企業。
・事業の多角化に伴い、より幅広い分野の人材が必要に
・従来の採用手法だけでは、ターゲット学生への接触に限界
・理系に特化したダイレクトリクルーティングサービスであること
・これまで接点を作ることが難しかった分野や大学研究室の学生に直接アプローチができる
・理系学生の研究概要、学会発表、受賞歴などがわかるプロフィールの充実度
・20卒はLabBase就職経由の内定者は5名、うち3名(情報系2名、バイオ系1名)が内定承諾
・これまで接点を作ることが難しかった分野の学生の採用に成功
・過去に繋がりがなかった大学や研究室から採用者を獲得
合成ゴムやABS樹脂で国内トップシェア、半導体やディスプレイ材料などで世界トップシェアを誇るJSRがLabBase就職を導入したのは2019年1月のこと。エラストマーや合成樹脂、デジタルソリューションからライフサイエンスまで事業領域の拡大に伴い、これまで接点を作るのが難しかった分野の学生を獲得したい狙いがあったという。20卒ではLabBase就職を活用して、同社が強化する「マテリアルズインフォマティクス※」「バイオ系」などに的を絞ってスカウトを打ち、採用活動を進めた結果、狙い通りの人材を3名獲得。導入初年度に、期待通りの結果を出せた理由は一体何だったのか。採用担当の鈴木様にお話を伺いました。 ※機械学習を含む情報処理技術を活用し材料開発を進める分野
鈴木様:当社は化学メーカーですが、最近はライフサイエンス分野に力を入れるなど、事業領域が大きく広がってきています。従来、技術系の新卒採用活動は、当社社員が大学の研究室を直接訪問するリクルーター活動を中心に、ナビサイト系の媒体への求人掲載や合同説明会、イベントへのスポット参加などを行っていました。しかし、マテリアルズインフォマティクスやバイオ系の人材などこれまで接点を作ることが難しい学生に出会うには、これまでの手法だけでは難しいと感じていたのです。 その頃、ダイレクトリクルーティングという手法を知り、LabBase就職は調査している中で見つけました。ダイレクトリクルーティングは他にもありますが、理系学生に特化しているという点に興味を持ち、こちらから問い合わせしました。
鈴木様:まず、技術系採用であれば、理系に特化したツールがいいだろうと考えたのです。LabBase就職は、理系に特化していることに加えて、学生のプロフィールの内容が非常に充実している点が決め手になりました。プロフィールをじっくり見て、「これは!」と思う学生に絞ってスカウトを打てる点が、当社が抱える課題解決のツールとしても有効だと考えたわけです。通常であれば接点を作ることが難しい学生もプロフィールから探すことができますし、研究内容をしっかり見てスカウトを打てるので、ターゲット学生に的を絞った案内ができる点がとても良いと思いました。
鈴木様:プロフィールをしっかり書いている学生が多いですし、中には研究概要だけでなく学会発表や受賞実績を記載されている方もおられます。国際学会で発表した実績がある方や論文を投稿している学生もいるなど、登録者のレベルが高いなと思いました。このように、学生のアクティビティを詳しく知ることができる点も、LabBase就職ならではだと思います。個人的には研究室がわかることも重要で、その点でもLabBase就職は使い勝手がいいと思います。研究室がわかれば、インターネットで研究室のサイトを調べて、より詳しい情報を得ることもできますからね。
鈴木様:現在は主に私と同じく採用担当の2名の合計3名で利用しています。私は元々技術系社員ですので主に研究概要などのプロフィールを詳しく見ていますが、私以外の二人にもいろいろと協力してもらっています。私一人では活用しきれないですし、どのように活用すれば良いのかというアイデアも貰っています。ちなみに、技術系出身の私が採用チームに異動となった背景には、必要となる技術系人材が多様化する中、新卒採用にも技術に強い人間が必要だろうという意図があったようです。私はLabBase就職導入と同時期にこの採用チームに異動になったのは何かの縁かもしれないですね。 技術系の採用に当たっては、採用担当だけでなく現場の意見も重要だと考え、当社ではそれぞれの分野の研究開発に携わる社員にも学生のデータベースを見てもらっています。当社は以前から技術系社員にリクルーター活動を協力頂いていることもあり、採用についても自分たちの課題として捉えてどの部署の方も協力的でとても助かっています。ダイレクトリクルーティングを利用するのは初めてでしたが「研究概要がよくわかる」「本当にほしい人材かどうか分かりやすい」と協力頂いた社員からも高評価で、「ダイレクトリクルーティングという今までとは違うやり方もありだね」という声もありました。
鈴木様: 2019年1月に導入し、20卒採用に向けて20名弱のスカウトを打ちました。約半数と面談を実施して弊社採用選考に応募してもらい選考させて頂いた結果、内定者5名、うち3名から内定承諾を得ることができました。正直申し上げると、初年度は従来の手法では接点が持ちづらい学生への声かけを目的に試験的な利用を想定していました。しかし、マテリアルズインフォマティクス2名、バイオ系1名と思っていた以上に採用ができたことは、当社としても大きな成果でした。しかも、これまで接点のなかった大学、研究室から採用できたことは、当社にとって今後につながる大きな一歩になりました。
鈴木様:21卒採用では、主に夏~冬のインターンシップや工場見学案内に利用しています。ナビサイトでインターンシップや工場見学を募集すると、想定しているターゲットの分野以外の学生からも相当数応募が来てしまっていました。そういったミスマッチをできる限り減らすことも課題でした。 プロフィールを見て、ぜひ参加してほしい学生に絞ってスカウトを打ったところ、工場見学では機械・電気・化学工学系の学生に10名以上参加してもらうことができました。バイオ系は1dayインターンシップをスカウトで案内した方のうち約3割が参加してくださるなど、予想以上の反応です。LabBase就職経由で案内した学生の参加者全体に占める割合は、機械・電気・化学工学系学生をターゲットにした工場見学で3~4割、バイオ系学生をターゲットにしたバイオ系インターンシップで4~5割でした。そもそもターゲットを絞って案内をしているので、狙い通り高い確率で参加者を集めることができています。LabBase就職の導入により、参加学生のミスマッチという課題も解消しつつありますね。
鈴木様:プロフィールや研究内容について、できる限りコメントをつけるようにしています。理系学生には「ご自身の専門分野が当社にマッチしている」とか、「あなたの研究テーマに興味があります」というコメントが心に刺さると思うので、そこは常に意識していますね。実際に「声をかけていただいてありがとうございます」と、返信してくれる学生もいます。学生の反応もいいので、企業側から声がかけられるダイレクトリクルーティングという手法は、やはり学生の心をつかむツールだと実感しています。
鈴木様:LabBase就職経由で採用した20卒の学生です。これまで全く接点がなかった研究室の方でしたが、プロフィールを見て私がスカウトを打ち、本人にお会いして当社で働く魅力やご自身の能力をどのように活かせるか、といったお話をさせていただきました。当社にマテリアルズインフォマティクス部門があることをご存じなかったので、「他社もよく見て決めてくれればいいですよ」と伝えて結果を待っていたところ、当社に推薦応募してくれました。見事内定となり、その後お会いした時に「あの時はありがとうございました」と言ってくれた時は、本当に嬉しかったですね。私自身がプロフィールを見てアプローチした方だったので、嬉しさも格別でした。この方は、従来の手法では出会えなかった方ですから、LabBase就職を導入して本当に良かったと思いました。
鈴木様: 20卒でマテリアルズインフォマティクスやバイオ系の人材を採用できたように、今後も分野を絞ってピンポイントで学生と接点が持てるLabBase就職には大いに期待しています。最近ではLabBase就職を活用してバイオインフォマティクス限定の個別説明会などを実施して手応えを感じているので、今後もLabBase就職を使って採用活動の効果を高めていきたいです。
我々採用担当は、スカウトを打つ際に必ずプロフィールをじっくり見ています。プロフィールが充実していればしているほど、その方をより詳しく知ることができるので、さらなるプロフィールの充実もお願いしたいですね。
この資料からわかること
どのようなサービスで、どのような理系学生が利用しているのか
LabBase就職を活用し、採用に関する課題をどのように解決することができるのか
専攻別のエントリー数や内定数など、理系学生はどのような動きをしているのか